夫が遺骨ダイヤを安く買う裏ワザを見つけてきた。〜地球150kmの神秘と我が家の財布の限界〜

「ママ!大変だ! 俺、ついに見つけちゃったよ。将来、俺の遺骨でダイヤモンド(遺骨ダイヤ)を作るとき、劇的にお安く手に入れる方法を!」休日のリビング。ダンナが鼻の穴をこれでもかと膨らませながら、スマホの画面を突きつけてきた。

遺骨ダイヤを安く買う裏ワザ

夫が遺骨ダイヤを安く買う裏ワザを見つけてきた
遺骨ダイヤを安く買う裏ワザ

「は?安く買う?業務用のスーパーでまとめ買いでもする気?」

「バカ言え、ダイヤモンドだよ! ほら、遺骨から作るメモリアルダイヤモンドって、普通に頼むと結構なお値段がするだろ? だから俺、考えたんだ。わざわざ高い専門窓口を通さなくても、『俺の骨を自分で地下150kmまで埋めに行って、数百万年放置すればタダで天然ダイヤになる』んじゃないかって!」

……。

お茶を飲んでいた私の喉が、変な音を立てた。

いや、ツッコミどころが多すぎて、どこから手をつけていいか分からない。

「あのさ、あなた。地下150kmってどのくらいの深さか分かってる?」

「え?富士山のちょっと下くらい?」

「甘いわ!中国地方で一番高い大山(1,709m)を100個積み重ねたくらいの深さよ! 水平方向で言ったら、東京駅から静岡県の富士駅とか、栃木県の西那須野駅まで行く距離を、そのまま地球の真下に突き進むの!」

「えっ、新幹線で1時間かかる距離を真下に!?」

「そうよ。そこはマントルがドロドロに対流してる世界。気圧で言うと『10万気圧』。世界で一番深いマリアナ海溝の、さらに100倍深い気圧よ? 温度は1,600℃!あなたの骨をそこに埋めに行く前に、あなたが消滅するわよ!」

ダンナはゴクリと息を呑み、急に背筋を正した。

「そ、そうか。じゃあ、やっぱり現代科学の力(ラボ)に頼るしかないか。でも、人工のダイヤってぶっちゃけ偽物だろ?」

「はい、そこも間違い! 正確には『合成ダイヤモンド』と呼ぶのが正しいの。だって、天然ダイヤとまったく同じ成分なんだから」

ここぞとばかりに、私はダンナのノートを奪い取り、現代科学の凄さを叩き込むことにした。

昔の人工ダイヤは濁ってバキバキだった?

「実はね、人工的にダイヤモンドを作る試みは1879年からあったの。でも長い間再現できなくて、1950年代にあのエジソンの会社、GE(ゼネラル・エレクトリック社)がようやく製造に成功したのよ。ただね、昔の技術で作ったダイヤは、今とは比べものにならないくらい品質が悪かったの」

昔の人工ダイヤモンドの悲劇

  • 全然、透明じゃない(真っ黒か濁ってる)
  • 中に空洞やひび割れがだらけ
  • ちょっとした衝撃ですぐにバキッと欠ける
  • 品質がバラバラで、同じものが二度とできない

「えぇー!そんなバキバキのダイヤ、指輪にできないじゃん!」

「そう、だから昔は工業用(カッターの刃など)にしか使えなかったの。それが1980年代になると、天然ダイヤ以上のクオリティで作れるようになって、ついに2004年、アメリカで世界初の『遺骨ダイヤモンド』が誕生したのよ。今からちょうど22年前の話ね」

「へぇー、2004年か! 意外と最近の技術なんだな。じゃあ、今はどうやって作ってるの?」

「今はね、高温・高圧法(HPHT)っていう凄い技術があるの。キュービックプレスっていう、上下・左右・前後の6方向からギチギチに10万気圧をかけるモンスターマシンを使って、ラボの中で『地球の地下150km』を完璧に再現するわけ」

科学の限界vs悠久の地球

「ラボで純粋な炭素を取り出して、数週間かけてじっくり結晶を育てるの。ちなみに、天然ダイヤは地球の中で数百万年かけて作られると言われているわ。この『数週間』と『数百万年』の差が、何をもたらすと思う?」

「えーっと。せっかちな人と、のんびりな人の差?」

「違うわよ! 天然ダイヤはね、数百万年という途方もない時間をかけて、結晶の中から炭素以外の不純物がじわじわじわじわ……と抜けていくの。だから、あんなに大粒で無色透明になるわけ。自然と悠久の時間が成し遂げる偉大さには、いくら科学が進化しても敵わない部分があるのよね」

「へぇ。地球ってすげえなぁ」

めずらしくダンナがロマンを感じて、目を輝かせている。

「ま、現代の技術も負けてないけどね。実はダイヤモンドを作る技術よりも、火葬したご遺灰や遺骨、遺髪から不純物を取り除いて『純粋な炭素』を抽出するほうが、よっぽど難しい技術なんだから!」

結局、お安く安心に買う方法はあるの?

「なるほどな。地下150kmに行くのも無理だし、自宅の電子レンジじゃ1,600℃も10万気圧も出せないし。やっぱり国内の窓口にお願いするしかないか。ママ、日本には何社くらい窓口があるの?」

「日本国内には、窓口が6社以上あるわよ。ただ、その巨大なプレス機があるラボ自体は日本国内にはないの。どこを選ぶかはそれぞれの会社の魅力次第だから、私が『ここにしなさい!』って押し付けたりはしないけれど」

「え、じゃあ、どうやって選べばいいんだよ。やっぱり少しでも安い方が…?」

「こればっかりは、安さだけで選んじゃダメ! 大切な人を預けるんだから、『どれだけ親身になってくれるか』が一番大事よ。ダイヤモンドは高いお買い物なんだから」

【失敗しない!窓口選びの裏ワザ】

時間があるときに、気になる会社へ「資料を送ってください」と簡単なお願いをしてみて。

そのときの電話対応が冷たかったり、メールの返信が遅かったり、対応が悪ければ、その先は一切連絡を取らなくてOK! 最初の対応の良し悪しが、そのまま信頼度のバロメーターになるわよ。

(※ちなみに私は、1社だけすごく懇意にさせていただいている信頼できる窓口があるから、本当に迷ったらこっそり教えてあげるわ)

「なるほど。資料請求の対応で、愛があるかどうかを見極めるわけか! よし、俺が死んだ後のために、今からその6社全部に資料請求して、カスタマーサポートの神対応コンテストを開催するぞ!」

「いや、だから! あなたはまだピンピンしてるんだから、今からコンテストを開催しなくていいわよ!」

「えっ、でも、少しでも早く申し込んだ方が『早期割引』とかあるかもしれないじゃん!」

「ダイヤモンドに早割なんてありません! そんなことより、今月の電気代の請求書を見て。このままだと、あなたがダイヤモンドになる前に我が家の家計が破産するわよ!」

「ひえぇ〜!10万気圧以上のプレッシャー!」

我が家の「ダイヤモンド計画」は、夫の謎のやる気のせいで、今日も1,600℃くらいの熱気で揉めています。みなさんも、もし「ここは親身になってくれたよ!」という素敵な窓口をご存知でしたら、ぜひ教えてくださいね。

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