ダンナはペットが死んだら私のことそっちのけ。〜クリーンセンターで遺骨ダイヤは作れるか大論争〜

「なぁ、もしもココア(我が家の愛犬)が死んじゃったら、俺は絶対に生きていけない。その時はココアの遺骨をダイヤモンドにして、生涯この胸に抱いて生きていくんだ!」休日のリビング。愛犬をこれでもかと抱きしめながら、ダンナが涙目で熱弁を振るっている。

ペットが死んだら

ペットが死んだら
ペットが死んだら

あのさ、まだココアは元気にドッグフードを爆食いしてるんだけど。

それにしても、この男。ペットのことになると完全に私のことはそっちのけである。

「はいはい、遺骨ダイヤモンドね。ロマンチックなのはいいけど、あなた、ココアの火葬はどこでやるつもり?」

「え? そりゃあ費用を抑えるなら、自治体のクリーンセンターとかにお願いするのが一番現実的だろ? ネットで見たら数千円って書いてあったぞ!」

「甘い。甘すぎるわ、お父さん」

私は冷たいお茶を差し出しながら、冷徹な現実を突きつけた。

「クリーンセンターで火葬してダイヤモンドが作れるかどうか結論から言うと、『ほぼ無理』よ。なぜなら、ほとんどのクリーンセンターは遺骨を返してくれないから!」

「ええっ!?骨が返ってこないの!?」

ダンナはまるで世界がひっくり返ったような声を上げた。

自治体のリアル!クリーンセンターのペット火葬事情

そう、ここが盲点なのだ。

クリーンセンターは、もともと廃棄物処理のための施設。時代が変わり、多くの自治体で処理ではなく、動物専用炉での火葬という認識に変わってきてはいるけれど、基本のスタンスは「民間にできることは民間に(ペット葬儀は民間ビジネスにお任せ)」という状態。

試しに、いくつかの自治体のホームページを調べてみると、驚くほど対応が違う。

各自治体の対応まとめ

  • 千葉県市川市(条件付きで返却OKなレアケース!)
    市民限定で動物専用炉で火葬。希望者には遺骨を返却してくれる(時間がかかる場合あり)。返却を希望しない場合は慰霊碑に合同埋葬。
  • 埼玉県朝霞市(返却NG)
    持ち込み1,000円、引き取り2,000円と格安。ただし「供養を希望する場合はペット専門霊園へ」と明記されており、お骨は戻らない。
  • 埼玉県所沢市(返却NG)
    持ち込み550円、収集1,100円。ただし中型犬程度まで。はっきりと「廃棄物として処理するもので、遺骨の引渡しはしていません」との記載。
  • 千葉県浦安市(返却NG)
    持ち込み1,100円、搬送車「やすらぎ号」なら2,200円。動物専用炉で火葬し、灰は敷地内の納骨堂へ。一般ゴミとは一緒にしない優しさ。でも遺骨の返還は不可。
  • 千葉県流山市(返却NG)
    持ち込み1,100円、引き取り3,300円。動物専用焼却炉で焼却。焼却後の灰や骨は「廃棄物扱い」となるため、返還は不可。

「僕たちの地域で調べた限り、お骨を返してくれるのは市川市くらいだったの。つまり、大半のクリーンセンターでは、お骨が手元に戻らない=ダイヤモンドを作ることは不可能なのよ」

「そんな。じゃあ、ココアとずっと一緒にいるためにはどうしたらいいんだ」

ダンナは本気で絶望している。私の老後の心配なんて一度もしたことないくせに。

手元に遺骨を残したいなら、民間一択!

世の中の飼い主さんたちが、ペットが亡くなったときにどうしているかというと、データはこうなっている。

  • ペット霊園で火葬:61.3%
  • 移動火葬車で火葬:14.4%
  • 自宅の庭に埋葬:14.4%

最近はマンション暮らしの人も増えたので、庭に埋葬するケースは減り、個別火葬や返骨をしてくれる「ペット霊園」や、自宅前まで来てくれる「移動火葬車」を利用する人が約75%を占めている。

「ココアの遺骨をダイヤにしたいなら、やっぱり民間の火葬業者にお願いして、ちゃんとお骨を返してもらう必要があるってことね」

「なるほどよし、民間業者を今からリストアップしておくぞ!」

すっかり立ち直ったダンナがスマホを握りしめる。本当に切り替えが早い。

飼い主として知っておくべき「その時」の正しい知識

「でもね、業者を決める前に、飼い主として絶対に知っておかなきゃいけない『最期のお世話』があるのよ」

命あるもの、いつかは旅立ちの時が来る。

悲しみに暮れて私のことなど完全にそっちのけになるであろうダンナのために、私は万が一のときの正しい手順を教え込んだ。

1.亡くなったら、とにかく「4時間以内」に冷やす!

ペットが亡くなったら、冬場なら2〜3日、夏場なら1〜2日が常温での安置限界。

腐敗を進めないために、亡くなってから4時間以内に体を冷やしてあげることが大切。ビニール袋に入れた氷や保冷剤をタオルで包み、「お腹」と「頭」を中心に冷やす。長引く場合はスーパーなどでドライアイスを調達するのがベスト。

2.棺(ひつぎ)の準備

犬や猫の場合: ビニールを敷いた段ボールに、ペットシートやタオルを敷いて安置する。

ハムスターなどの小動物の場合: 手のひらサイズの箱にティッシュを半分ほど敷き詰め、周囲を保冷剤で冷やす。ドライアイスを使う場合は、遺体が変色するのを防ぐために直接触れないよう注意!

(※ちなみにハムスターなら自宅の庭に埋葬してあげるのも一般的。他人の土地や公園に埋めるのは法律違反になるので絶対ダメ!)

3.火葬のタイミング

ドライアイスでしっかり保冷できていれば、死後2日〜10日ほどお別れの時間を取ることも可能。慌てずに、落ち着いて見送る準備をしてあげて。

4.犬の場合は「死亡届」が必要

ワンちゃんが亡くなった場合は、保健所への登録抹消手続き(死亡届の提出)と鑑札の返却が必要になるので、これも忘れずに。

最後に:私のことも、少しは気にかけて?

「お腹と頭を冷やすメモしたぞ!これでココアの最期は俺が完璧に守る!」

鼻息を荒くするダンナ。

「はいはい、よろしくね。で、さっきからココアココアって言ってるけど、もし私が先に逝ったらどうするのよ?」

私が意地悪く聞いてみると、ダンナは真顔でココアを見つめ、

「え? ココア、お母さんが居なくなったら、寂しいよな。俺たち2人で支え合って生きていこうな」

ココアに話しかけるな。私の目を見ろ。

やっぱり、ペットが死んだら(死ぬ前から)わたしのことはそっちのけになりそうな我が家のダンナ。

クリーンセンターは費用を抑えられるという大きなメリットがありますが、多くは産業廃棄物としての処理が基本です。

「お骨を綺麗に残してあげたい」「ダイヤモンドにしてずっと身に着けたい」という特別な想いがある方は、事前に地域のクリーンセンターの規約を調べるか、最初から手厚い民間業者さんを頼るのが一番の後悔しない方法です。

我が家のココア、どうかダンナのためにも、一日でも長く元気に爆食いしていておくれ!

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