そのダイヤ、本物?我が家の宝飾品鑑定大作戦と、夫に叩き込むジュエリーの嗜み

「なぁママ、こないだテレビで見たんだけどさ、ダイヤモンドの『鑑定』ってあるじゃん? あれってぶっちゃけ、どこでやっても一緒なのかな? なんか世界共通のルールとかあるわけ?」休日の午後、ダンナがめずらしく神妙な顔で、我が家の数少ない(本当に数少ない)ジュエリーボックスを覗き込みながら聞いてきた。

宝飾品鑑定大作戦

宝飾品鑑定大作戦
宝飾品鑑定大作戦

「あら、急にどうしたの? 預金通帳のマイナス6000万円を見て、ついに我が家の家宝を売る気になった?」

「人聞きが悪いな!単に、個人的に客観的な価値を知りたいなと思っただけだよ! メーカーや流通の人だって、まがい物を排除して安心感を得たいから鑑定するんだろ?」

ふん、意外とまともなことを言う。

でもね、何も知らないダンナのために、私はお茶を淹れながら「ダイヤモンドとジュエリーの奥深い世界」をレクチャーすることにした。

「いい? あなた。一言で『鑑定』って言っても、ダイヤモンドそのものの鑑定と、金属部分(地金)の鑑定は、全くの別物なのよ!」

意外と知らない!世界を牛耳る鑑定機関と業界のルール

「まず、ダイヤモンドの鑑定で世界で一番有名なのが『GIA(ジー・アイ・エー)』ね」

GIA(GemologicalInstituteofAmerica)

1931年に設立された、世界最高峰の宝石学教育機関。公的機関ではないけれど、ここが開発したダイヤモンドのグレーディング法(4Cなど)が、今や世界統一の基準水準になっているの。本拠地は米国カリフォルニア州カールスバッド。

「じゃあ、指輪の金属の部分はどうなんだ?」とダンナ。

「日本の場合、金属のクオリティは『財務省令の品位証明規定』に基づいて検定されるの。K18とかPT900とか、業者の要望で9つの品位を検定して、製品に刻印するのよ。でも、法律だけじゃカバーしきれないから、業界団体が自主ルールを作って信頼を守っているのね」

覚えておきたい!宝飾品業界のネットワーク

  • CIBJO(シブジョ/国際貴金属宝飾品連盟): 1926年に発足した国際組織で、国連の諮問機関として宝飾品の国際ルールを作っているわ。日本からは「日本ジュエリー協会(JJA)」が参加しているの。
  • AGL(宝石鑑別団体協議会): 国内の主要な宝石鑑別機関29社が参加する、通称「宝鑑協」。ダイヤのグレード調査や調整を行っているわ。
  • ICA(国際色石協会): ダイヤモンド以外の「色石(サファイアやルビーなど)」の販売促進のための世界組織。

「へぇー、世界中でルールが統一されてるから、どこに行っても世界基準の評価が受けられるわけか。じゃあ、サファイアとかの鑑定は?」

「それはICA(国際色石協会)っていう組織があって、採掘や卸しのプロが加入しているの。ちなみに、11月11日は『ジュエリー・デー』って言って、日本で宝石の世界共通単位である『カラット(1カラット=0.2g)』が導入された日なのよ」

「11月11日ポッキーの日じゃなくてジュエリーの日か。メモメモ」

ダンナが必死にノートに書いている。

「合成」「人造」「模造」の違い、言える?

「ところでさ、最近よく聞く『人工のダイヤ』って、なんて呼ぶのが正解なんだ?」

「そこ! 1994年にJJAとAGLが厳格なルールを決めているのよ。ここを間違えると恥をかくから、しっかり覚えなさい!」

日本の業界ルールでは、人工の生産物を明確に3つに分類しています。

  1. 合成石(Synthetic): 天然石とまったく同じ化学成分・結晶構造を持つもの。だから、人工的に作られたダイヤモンドは正確には「合成ダイヤモンド」と呼びます。
  2. 人造石: 天然には存在しない、人間が作り出した結晶。例えば、輝きがダイヤに似ている「キュービックジルコニア」は、天然の対応物がないので「人造キュービックジルコニア」が正解。
  3. 模造石:ガラスやプラスチックなど、見た目だけを真似たもの。

「なるほど! つまり僕たちが『ダイヤモンド計画』で紹介している、遺骨から作るメモリアルダイヤモンドも、科学的には天然ダイヤと同じ成分だから『合成ダイヤモンド』の仲間ってことか。仕組みを知ると納得だな!」

個人で鑑定はどうやる?かかりつけの宝石商を持つワケ

「よし、じゃあ早速、ウチにあるママの結婚指輪をJJAとかCIBJOに送って鑑定してもらおう!」

立ち上がるダンナの服の裾を、私はグイと引っ張った。

「バカ言 civil(シビル)じゃないわよ。そういう大きな業界団体は、個人からの直接の鑑定は受け付けてくれないの!」

「えっ!?じゃあどうするんだよ」

「街の身近なジュエリーショップ(宝石商)に持ち込むのよ。そうすれば、ダイヤモンドと金属部分、両方の鑑定を一度に手配してくれるわ。費用は2万円〜数万円と少し割高にはなるけれどね」

「ママのおすすめのショップとかあるの?」

「あるにはあるけれど、あえて教えないわ。あなたには、『ご近所のジュエリーショップ』を自分で見つけてほしいの。これには、深〜い理由があるんだから!」

【ご近所のジュエリーショップを勧めるワケ】

ジュエリーは、1月に1度美容院へ行くように、年に1度はプロに相談・点検してもらうのが長持ちのコツ。ご近所にかかりつけのショップを作っておくべき理由は4つ!

  1. 年に1回、定期的にメンテナンス(クリーニングや点検)をしてもらうため。
  2. 万が一壊れたとき、すぐに修理に駆け込めるため。
  3. 壊れそうな部分や、変形したリング、緩んだ爪(石留め)をプロの目で早期発見してもらうため。
  4. 「運転するときは、ハンドルを握る圧力でリングが変形するから外す」といった、ジュエリーを長持ちさせるプロの常識(コツ)を教えてもらうため。

「年に1回の定期検診か。確かに、爪が緩んでダイヤがポロッと落ちたら泣くに泣けないもんな」

ダンナが自分の結婚指輪を愛おしそうに見つめる。

最後に:夫の決意

「世界統一の基準があって、ご近所のショップでメンテナンスしながら愛着を持って末永く使う。宝飾品の世界って、本当に奥深いんだな。俺、さっそく近所のショップを探してみるよ!」

珍しく行動力を見せるダンナ。

「あら、感心ね。もしかして、私のために新しいエタニティリングでも買って、そのショップで定期メンテナンスしてくれる予定?」

私が期待の眼差しを向けると、ダンナはニヤリと笑った。

「いや! 万が一、俺が先に逝って『遺骨ダイヤモンド』になったとき、ママがそのダイヤを無くさないように、爪の緩みをチェックしてもらう『かかりつけ店』を今から作っておこうと思ってさ!」

「だから、私はまだあなたをお骨にする予定はないってば!」

我が家のダイヤモンド計画、まずはご近所のジュエリーショップを見つけて、ダンナの「未来の輝き(?)」を守るためのシュミレーションから始めることになりそうです。

みなさんも、お気に入りの街のジュエリーショップがございましたら、ぜひコメント欄で教えてくださいね! 末永く愛着を持ってジュエリーを楽しむための、素敵な一歩になりますように。

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